- 【商品概要】
VOX V846 VINTAGE
概要
オリジナルのブランドによるオリジナル=ヴィンテージVOXワウの完全再現
その1 : インダクター
「Halo」インダクターは、ヴィンテージ・ワウの心臓部であり、「魂」でした。ヴィンテージ・ユニットのインダクターの特性を正確に測定することで、私たちのワウに使用するHaloインダクターのレプリカを作り出しました。
V846 Vintageは、よりアグレッシブなトーンで、スウィープ・レンジが広く、高域が強調されています。いわゆるワウワウ効果の決定版と言えるサウンドです。
前述したように、ヴィンテージ・ワウはヴィンテージ部品の許容差により、結果的な特性には個体差が生じていました。しかし、インタクターを構成する中心的な部品であるコア材を微調整することで、特性を大幅に安定させることができました。これにより、求められるトーンを損なうことなく、すべてのユニットで一貫したトーンを提供できるようになりました。
その2 : ポット
ペダルからギヤを経て動く可変抵抗=ポテンショメーターこそが、ワウのスイープに命を吹き込むパーツであることは明白でしょう。
正しい寸法で設計された筐体 (後述) に組み込まれる事により、ヴィンテージのニュアンスを再現するのに重要なパーツになります。
ヴィンテージから取り外し、同じカーブになる様に調整して、粘りのある音色変化を作り出しました。
VRM-1とV846 Vintageでは異なる抵抗値、カーブにしています。
その3 : トランジスタ
ヴィンテージにも使われているのと同様の型番と外観である、BC109という金属缶パッケージのトランジスタを使用しています。
缶タイプは、外装部分がトランシスタの端子の一部であるため、組み立てると直面する底板の影響を受けやすい構造になっています。
同様のトランジスタが入手できたものの、60年代の部品と比べて音色が違ったため、音色の調整をするため回路を追加しました。そのためオリジナルには見られない追加部品がありますが、違った時代のパーツで昔を再現するための工夫を加えたのです。
その4 : 抵抗
ギターアンプにおいて「カーボンコンポジット」抵抗が珍重されることがありますが、60年代後半になると安価で品質の安定した「カーボンフィルム」抵抗が一般的になりました。
68年に始めて登場したWahにもカーボンフィルム抵抗が採用されていました。
今回の復刻でもカーボンフィルム抵抗、ただ大きめの1 / 2Wサイズを使い、チップ抵抗や1 / 4W抵抗とは違った柔らかなヴィンテージ・ワウの質感を再現しています。
その5 : コンデンサ
Wah回路において、特に音色に影響を与えるコンデンサは2個所に使われる容量0.01uFの物です。
ヴィンテージ・ワウに搭載されるコンデンサは特殊形状のため現在において量産で使う事は不可能でした。
本製品にはメタライズドポリエステルコンデンサを採用し、10種類以上の候補からもっとも深みのある音色のコンデンサを選びました。
その6 : ケース
ケースの設計はWahというエフェクト・ペダルの構造において、足を置く角度やペダルの可動範囲に影響を及ぼすため、重要な要素になります。
表情豊かにWahをコントロールするには、足の感覚をたよりに微妙な操作が必要になるため、たとえ電子部をすべてヴィンテージから乗せ換えたとしてもケースが違えば"別物"に感じてしまうでしょう。
そこで新規に金型を起こすべく、ヴィンテージを分解して下ケースとペダルの3Dスキャンを行いました。ヴィンテージと同じ角度で動くペダルはポットと合わさってヴィンテージ・ワウのニュアンスを再現します。
エフェクターは「ケースで音が変わる」という事が巷では言われています。最近ではブラスなどユニークな素材を使った他社製品も見られるようになってきました。これは大なり小なり事実ではあり、ヴィンテージで使われている金属もまたそのフェクターの音色へ影響を与え、独特なサウンドを奏でます。
特にWahは消費電流が1mA以下でインピーダンスが高い回路のため、他のエフェクターに比べると周囲の影響が大きくなります。
素材に関しては当時と同じくアルミを採用しましたが、ヴィンテージと比べるとアルミ材に含まれるアルミ以外の材の比率の違いにより、試作は音色について高域が少しロールオフしていました。そこで、GNDの取り方をオリジナルから変更しています。ジャックで発生する高域成分の減衰を少なくするため、ジャック部ではケースとジャックのGND部を絶縁するため、ワッシャーを追加しています。
また、ケースだけでなく底板もビンテージ愛好家の間では「Wahの底板の材質で音が変わる」という認識が行きわたっており、現に底板を変えると音が変わる事を確認しました。
つまりヴィンテージの再現には、底板を取り付けたときの音色を含めて再現する必要がありました。
本機は、音色変化の大きな鉄製の板を加工する事により、Vintage同様の60年代後半に聴かれたような感情豊かに歌うような音色を奏でます。
その7 : 線材
シールドケーブルで音色が変わるように、ハイインピーダンスな回路なワウでは線材による音色の影響は無視できません。
一般的には細い線材では、音色的にはレンジの狭い細目な音となり、太い線材を使うとレンジ広くて高域まで伸びた音色になる傾向があります。
一般的に線材は撚線が採用されており、上記の傾向はその撚線1本の太さと、本数によって決まっている事が分かりました。
むやみに太い線材を採用するとぎらついた音になっていき、ペダルがつま先側になった時に耳に痛いサウンドになっています。
通常使われる事が多い線材は
AWG24 芯数 11本で、素線サイズが、0.16mm
AWG26 芯数 7本で、素線サイズが、0.16mm
が通常ですが、今回採用した線材は
AWG24 芯数 7本で、素線サイズが、0.2mm
芯線の本数は7本を増やすことなく、1本あたりの線材を太くしたことにより、ぎらついた音になる事無く、カカト側でも芯のあるしっかりした音色となりました。
仕様
・電源 9V乾電池 (6LF22 / 6LR619V、006P) (別売)
・消費電流 540uA (9V DC)
・連続使用時の電池の寿命 約100時間以上 (アルカリ乾電池使用時 / 条件により異なります) ※使用状態によって異なります。
外形寸法 / 質量
幅 (W) 102mm 奥行き (D) 253mm 高さ (H) 80mm 質量 (乾電池含む) 1.3kg
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